自転車日本一周77日目:2日連続ねづっちです!【青森県むつ市〜青森県野辺地町】
2022年10月19日水曜日、77日目。
6時。
目を覚ますとポツポツと音が鳴っていた。
どうやら雨が少し降っているようだ。
「天気予報では今日雨が降るなんて言ってなかったぞ!」
スマホを取り出し、お天気アプリ「weathernews」を開く。(「Yahoo 天気」から乗り換えたw)
「あれれれ 雨予報に変わっておる!!・:*+.\(( °ω° ))/.:+」
油断して屋根がないところに(東家が近くにあるのに)テントを張ってしまっていたため、テントがだいぶ濡れてしまった。
1時間後…
ようやく晴れ間が見え始めたので僕とえだちゃんはテントを乾かしつつ、公園の東家で無言の暇つぶしタイムを始めたのであった。
気が進まん、恐山
今日は青森県の野辺地町というところまで進む予定。
その前に、むつ市にある「恐山」に行くことにしていた。
恐山は、日本三大霊場の1つ。
多くの旅人がこぞって「良い場所だから行きなよ」と言ってくる。
良い場所と言いながら、霊場の雰囲気をまざまざと感じたとも言うのだ。
恐山は、亡くなった方と会える場所という。
そんな話をされたものだから、僕は若干怖くなっており、恐山へ行くのは気が進まなかった。
しかし、えだちゃんが「行こうぜ」と誘ってくる。
青森県に来ること自体が今後あまりないかもしれないと考えるといくら気が進まないとはいえ、行っておくべき場所だと僕も感じ、結局えだちゃんに連れられ行くことにした。
……
恐山までの道のりはかなりの標高があったためバスで行くことにした。
青森県むつ市の下北駅前に自転車を止め、バスに乗った。
恐山までは約40分。
途中、「恐山冷水」という場所にバスが停まった。
ここの水を飲むと、若返るという。
不老水と言われているそうだ。(こちらのサイトを参考にしました。)
ならばということで僕は2杯飲んだ。
1杯で10年だと少なすぎる、かといって3杯飲んで死ぬまでだと欲張りすぎだと考え、間の2杯にしたのだ。
……
バス内では恐山到着まで、悲壮感たっぷりの声のお姉さんのナレーションで恐山の観光案内が流れ続ける。
観光案内は嬉しいが、この時ばかりは怖くなるからやめてくれという気持ちになった。
あれ?思ってたのと違う
恐山に到着。
強烈な硫黄の匂いがしてきた。
入山に大人は500円かかる。
いざ、参らん!
少し進むと、本堂が見えてきた。
参拝を済ませ。
さらに奥へと入っていく。
風車や石が積まれているのが気にはなるが、まだみんなから聞いていた“雰囲気”とやらは伝わってこない。
最初に見えてきた階段を登る。
その先で、「不動明王」に遭遇。
こんなにも綺麗な景色も広がっていた。
「あれ?なんか思っていたのと違うぞ?(僕的には嬉しいことなのだけど)」
他の観光客もたくさん写真を撮っており、そこまで悲壮感に満ち溢れた空間ではなかった。
「ただの観光地なのか?」
最初はそのように思ってしまったのだ。
やっぱり雰囲気あったわ
引き続き、恐山を回ってみる。
徐々に悲壮感あふれる道が出てきた。
奥に見える湖に向かって誰かの名前を叫ぶ人がいた。
おそらく、亡くなった身近な人の名前を叫んでいるのだろう。
あまりにも悲壮感が漂ってきたので写真には撮れなかったのだが、人の名前が書かれているものが飾られていたり、風車が至る所で回っていたり、手ぬぐいが木に巻き付けてあったりとかなり雰囲気が出てきていた。
僕とえだちゃんは口数が徐々に減ってきた。
僕みたいに観光目的できている人もいれば、亡くなった方と出会うため、話すためにここに来ている方もいるのだ。
僕には何も見えなかったし、聞こえなかった。
それでも色々思うことはあったのだった。
初ヒッチハイク
12時。
恐山観光を終え、下北駅に戻る。
ただ、バスの本数が少なく、次のバスまで1時間程度待つ必要があった。
今日はこの後50km以上走らなければいけないのだ。
そのためできるだけ早く下北駅に戻り昼食を食べ、出発したかった。
えだちゃんの提案でヒッチハイクをすることにした。
僕は人生初のヒッチハイク。
「ヒッチハイクをしたいというアピールをして立ってればいいだけだよ」
えだちゃんはさも簡単なことのように言うが、僕にはそれが難しいんだ。
今日はえだちゃんがいるからできるが、1人だったらどうだろうか…ww
僕らは日本一周と書かれた紙を持ち、恐山を下山していく車が通るたびにアピールして待っていた。
僕らの存在に気づき笑顔でごめんねという仕草をしてくれる方が多くてなんだかほっこりした。
いかん!
ほっこりしている場合ではないのだ。
早く下山できるように乗せてもらわねば( ^ω^ )
……
ヒッチハイクを初めて30分。
ついに成功!!
乗せてくれたおじさんは宮城から出張でたまたま青森県にきていた方で、時間が空いたので恐山の観光をしていたそうだ。
「日本一周なんてすごいな〜」
そんなことを言われながら車に乗り込んだ。
……
ヒッチハイクで難しいの捕まえることだけでなく、捕まえた後だということが改めてわかった。
というのも、車の中で話し続けなければいけない(気がする)
今回はえだちゃんがいたので余裕ではあったけど、自分1人でやった場合どうだろうか?
僕にはそこまで話せる自信がないww
だからヒッチハイクができる人は本当にすごいと思うのだった。
……
13時。
下北駅前で乗せてくれたおじさんと別れる。
本当だったら今頃、恐山からのバスに乗っていたくらいだった。
45分もの短縮に成功!!
本当にありがとうございましたm(_ _)m
きつい道のり
お昼は下北駅前にあった、「駅前食堂」というお店で塩ラーメンを食べた。
この日はかなり気温が低かったというのもあり、なんだかラーメンが食べたいねとえだちゃんと意見が一致したのだ。
……
14時。
ようやくむつ市を出発。
陸奥湾を沿うような形で南下して、野辺地町を目指した。
この日の道はとんでもなくきつかった。
何度も何度も繰り返されるアップダウン。
海沿い特有のとんでもない向かい風。
容赦無く僕らを襲った。
僕はえだちゃんの後ろについて自転車を漕いでいたのだが、何度も何度もえだちゃんに置いてかれてしまった。
僕の自転車を漕ぐスピードが遅いからだ。
えだちゃんが途中途中で待っていてくれて、追いつく度に申し訳ない気持ちになった。
えだちゃんは優しいから「全然大丈夫」と言ってくれるが、やはり申し訳ない。
アップダウンにも、追い風にも、申し訳なさにもキツさを感じた道のりだった。
2日連続「整いました!」
17時。
58kmの道のりを進み、ようやく野辺地町の市街地まで辿り着いた。
僕はもうヘロヘロだった。
えだちゃんも「結構きつかったよ」という。
でもさすがに旅中もしっかり筋トレをしているだけのことはある。
全然疲れたそぶりを見せない( ^ω^ )
……
えだちゃんの要望で(もちろん僕も行きたかった)2日連続温泉へ。
野辺地町では「タカラの湯」という温泉に行ってみることにした。
お値段390円。
とにかく安い!!
昨日と同様えだちゃんと「ととのう」を始めた。
初めてととのうをした時、水風呂が辛すぎて泣けたのを覚えているが、慣れればこんなに気持ちの良いものなのかとなる。
むしろサウナに入った後、はやく水風呂に入りたい自分がそこにはいた。
……
お風呂から出て、体を拭いていると、地元のおじいちゃんが脱衣所に入ってくるや否や、僕らのことを見て「日本一周しているものか?」と聞いてくる。
「はい!そうです!」
そこからおじいちゃんとの会話がスタートするのだが、青森県のなまりがすごくて正直言って何も僕は聞き取れなかったww
「はい!はい!」と元気の良い返事で誤魔化して会話終了。
こういった地元の方との絡み…
嫌いじゃないんだよな〜( ^∀^)
えだちゃんとの最後の夜
お風呂へ入った後、夕食を買いに近くのマックスバリューへ向かった。
明日、6日間共に行動してきたえだちゃんと別れることになる。
ということでビールで乾杯することにした。
付かず離れずの距離感のえだちゃんとの時間は本当に楽しかった。
えだちゃんの考えからたくさん学ぶこともあった。
そんなことを思いながら、多分えもい話をして最高の夜を過ごしたのだった。
2022年10月19日(水)
青森県むつ市〜青森県野辺地町
走行距離:58km
総走行距離(77日間):3137km