自転車日本一周20日目:身も心もすり減らした先にはビール【北海道二海郡八雲町〜北海道岩内郡岩内町】
目が覚めると、少し暑さを感じた。
昨日、宿に着いた時は雨が降っていたということもあるが、ウィンドブレーカを着ないといけない程度の肌寒さだったのに…
テントを開けると、そこには昨日の日の入り以上の素敵な光景が広がっていた。
地平線から太陽がだいぶ昇っていた。
やはりこの無料宿は素晴らしい。
Google マップの「お気に入り」に保存した。
さぁ〜
出発の準備をしよう!
ほんの気持ち程度の感謝だけども
昨日は自転車から全ての荷物を一旦外して、テントにぶち込んでいた。
久しぶりに見るむき出しの自転車は昨日までの雨の中の走行のせいか、泥などで汚れていた。
「こんな天候の中、本当によく走ってくれているよ!お前は!」
これからもまだまだ走る。
何倍も何十倍も走る。
だから、もっと汚れるのはわかっている。
だけども、ここまで連れてきてくれた感謝を込めて、ほんの気持ち程度、持っていたお手拭きシートで車体を拭いてやりたくなった。
「ここまで本当にありがとな」
「これからも僕の知らない景色を見せにどこまでも連れてってくれよ!」
このタイミングで!!神か!
お腹がすいたので、出発前に近くのコンビニをGoogle マップで調べてみると
25km先に進む
or
7km戻る
だった。
僕はすごくお腹がすいているのに、上記の選択はかなり泣かせるやつだぞ( ^ω^ )
う〜ん。
進もう!!
25km全力で走ることにした(お腹がすいているので全力は無理だが…)
……
無心に走った。
コンビニおにぎりを求めて。
そして、気づいた。
無心に走ると、いつもより早く目的地に着くということを…笑笑
1時間ちょっとで25km進んだのだ。
よっしゃ。
ローソンへピットイン!!
本日の朝食はこんな感じ。
野菜ジュースはほんの気持ち程度の野菜摂取にすぎないという情報を聞いたことがあるが、それでもいいのだ。
僕に野菜が入っていると錯覚を起こさせれば多分元気でいられる!(どんな理論や)
そして、このタイミングでこのコンビニは僕に電源とWi-Fiを提供してくれたのだ。
僕の旅の中で命の次の次の次くらいに大事な「電源」「Wi-Fi」。
わかってるじゃねーか!ローソン!
少し常識外れかもしれんが、パソコンをバッと開き、GoProからのデータ移行を済ませた。
もっと容量の大きいSDカードを買えばいい話だが、高いんよな〜
SDカード…ww
ここのローソンは、僕的神コンビニに認定されたのだった。(多分1ヶ月後には忘れているだろう…)
疲れた体にはやっぱりラーメンやろい
神ローソンを後にした僕は、その後20kmほど緩やかな登り坂を進み、疲れ果てていた。
さぁそろそろお昼にしようと思って自転車を漕いでいると、1つのお店がたまたま見えてきた。
山道だったからか、周りにはなかなかお店が見つからなかったので、もうそこで昼食にしようと決めた。
お店の名前は「松龍」
ラーメン屋さんのようだ。
ちょうどラーメンを食べ終えこれから出発しようとしているバイクの兄ちゃんたちを、この店の店主(?)のお母さんが見送っている!
記念写真も撮っていた。
「あ! 絶対この店はいいお店だ」
お店に入る前から好印象だった。
……
お母さんは僕をみるなり
「忙しくなるから、今写真撮ってもいいかい?」
「日本一周かいな!すごいね〜」
という剣幕だ。笑
ということでお母さんのスマホカメラにパシャリとされ、店内に入った。
少し言い方は悪いが、店内は汚く、昔ながらのお店という感じ。
冷房もなく、窓を全開に開けているのでハエなんかもブンブン飛んでいる笑笑
だけどね、なんかそれがいいんよ。
なんでかわからないんだけど、味があるお店なんよ。
旅をしているからこそそう思える。(自分自身が汚いから?w)
……
お母さんにおすすめのラーメンを聞くと、味噌ラーメンとのこと。
というわけで注文。
はい。
良い!!
「The 味噌ラーメン」!!
写真では伝わらないと思うのだけど、かなり大きい。
多分、今風のお店のラーメンの2倍くらいのサイズの器と量だった。
まずはスープを飲む。
疲れ切った体のすみずみまで行き渡ってくれる感じ。
染みるね〜
1週間働いて疲れたサラリーマンが居酒屋で一杯目に飲むビールのような感じだな!!
麺もずるずる僕の体の中へ流れ込んでいく。
美味いd( ̄  ̄)
……
ご馳走様でした!
お食事どきに少々申し訳ないが、お手洗いへ!
お母さんにお手洗いを借りると伝えると、「昔のトイレだからね〜」と忠告を受けた。
まぁ和式トイレということなのかな?
そう思ってお手洗いを開けると、見事に期待を裏切られた。
なるほど!
「ぼっとん」ね!ww
いや〜
このお手洗いを含めてこのお店最高だわ!!
……
帰り際、僕への応援ということでラーメンを50円引きにしてもらえた。笑
850円。
でもこの空間で味わった時間は850円なんて物じゃなかった!
ありがとうお母さん( ^ω^ )
逆側の海
昨日から本日の午前中にかけては、内浦湾を北上していたのだが、長万部町(おしゃまんべちょう)というところで海沿いとは一旦別れ、北海道の左下の細長い部分の陸地を斜めに突っ切り、逆の海へ出るようなルートを走っていた。
そして、30km程度走ると、ついに逆の海(おそらく日本海)に出ることができた。
ここもまた素敵な海岸が広がっていたので、思わずスマホのシャッターを切った。
この時は、ここからゴール地点までの地獄の道のりを経験するとは思いもしていなかった。
肉体と精神の疲労
海沿いを走っているとかなり風が強いことが多い。
そう。
その風が全て僕に向かってくるのだ。
漕いでも漕いでもなかなかスピードが出ない。
なかなか進まない。
風がない時の海沿いのサイクリングは最高でしかないのだが、風が吹いているとそれはもう地獄。
海に向かって何度叫んだことか…笑
……
もう1つ僕を苦しめることがあった。
トンネルだ!
本日のルート、寿都町と岩内町の海沿いルートのトンネルなのだが、歩道がしっかりと整備されておらず、車道を通らなければいけないことが多かった。
また、トンネルがやたらと長いのである。
「自転車なんだから車道が普通でしょ!」
それは間違いない。
だが、トンネル内を自転車で
ましてや、荷物を多く積んだ自転車で走ることほど怖いことはないと思うのだ。
加えていうと、少し偏見だが、北海道の道では車がバンバン飛ばして自転車のすぐ横を通るのだ。(北海道をドライブするのはすごい気持ちが良いので、スピードを出したい気持ちはわからなくもないが…)
……
一番怖いのはトンネルに入った後、自転車で走る僕の横を一番最初に来る車が通り過ぎる瞬間だ。
もちろん後ろのライトや反射板などつけて対策はしてるが
「しっかりと僕のことがドライバーには見えているのだろうか」
「よけてくれるのだろうか」
などなど。
さまざまな不安が頭をよぎる。
そんなトンネルが5〜7個続いたので、ゴール地点に着いた時には、僕の精神がヘトヘトになっていた。
大袈裟だが自転車旅は命懸けだ。
その中でもトンネル内の車道を走るのは特に命懸けであるのだ…
(3.5kmのトンネルはマジで泣きそうだった…)
祝杯のビール
これまでの旅の中で一二を争う壮絶な行程を乗り越え、ようやく本日の宿に到着した。
「道の駅 いわない」の近くの公園にて野宿をすることに…
の前に、夕食を近くのセイコーマートで購入。
普段お酒を買いたい!
と強く思わない僕が、本日は購入。
それだけ本日の地獄行程で精神も肉体もやられたんだろうな〜
そういえば本日は過去最高の走行距離、約90kmを記録もしていたんだ!
今日はパーティーじゃ〜\\\\٩( 'ω' )و ////
2022年8月11日(木)
北海道二海郡八雲町〜北海道岩内郡岩内町
走行距離:90km
総走行距離(20日間):793km